首を傾げたままの彼女の最終手段は、席を立ち冷蔵庫を覗き込む。

「わかんないよ、こんなの。難しすぎ」

料理酒やワインの量を確かめ、チーズの袋を開ける。
そして、並ぶ味噌を手に取る。

「これだ!これでしょ!」

正解を片手に、まるで宝物を見つけた子どもみたいに喜ぶ彼女。
そんな彼女を不思議そうに見つめるマウロ。

そう、正解は彼女の実家から送られてきた「白味噌」

シチューに少量でコクと甘味を際立ててくれる秘密の調味料。

「今回は難しかったでしょ?」