王子様

「なにがあったんですか？」

意外な反応だった

なんで疲れるですかとかそういう風に聞いてくると思った

次は俺が答える番だ

もう昔の話をした方が早いと思い俺は口を開いた

中３の時、年下の彼女が居たんだ。彼女は凄く可愛くて男女からも評判だった けど…俺と付き合うようになってから彼女は毎日が疲れている気がしたんだ
気になった俺は放課後、彼女に秘密で彼女の教室に行った

ドアを開けようとした時

「なんでまだ別れてないの？」

「あたしが柴市先輩のこと好きって知ってて付き合ったの？」

「ありさ最低」

俺は急いで教室のドアを開けた

ありさを責めていた何人かの女子が俺の方をみるとすぐに視線をそらした

俺はありさの所に行った

「ありさ…大丈夫？」

ありさは涙をふいて

「だいじょうぶ。ぁりがと」

目が赤い
やっぱり泣かされたんだ
俺の知らないところでありさは泣いていた

もうありさを傷つけたくはない

俺はありさと別れることを決意した