香乃子も気まずそうに、私に小さく手を振った。


「どうしたの?ユウ」


珍しく、ひとけの無い階段まで、連れて来られた。


「これ」


そう言って、ユウが差し出したのは鍵。


「何の鍵?」


「家の鍵だよ」


「家?」


何で、私がユウの家の鍵なんか…。