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小屋に着くと、扉を開けると真っ先に由実が飛びついてきた。


「うぁっ!!」

「希咲ちゃ――んっ!!」


よろめきながら由実を受け止める。


「…由実。」


呆れたように名前を呼ぶ。
すると、由実は拗ねた様に頬を膨らます。


「私心配してたんだからねぇ!!

信じてなかったわけじゃないけど、怪我とかしてたらどうしようって!」


目が潤んでいる。


確かに心配させすぎたかな。

今まで死と隣りあわせだったのだ。
私が逆の立場だったら耐えられなかったかもしれない。


私はなるべく優しく、安心するように伝えた。

「大丈夫だったよ。
…というよりも、私は何も出来なかった。」




―――――何も出来なかった。




そうか、私は役立たずだった。

私はただ檜山さんにお守りしてもらっただけ。

言葉にして初めて何も役立てなかったことを認識し、気持ちが少し落ちる。



すると、そんな私に檜山さんが気づき、

「いや、役立った。想像以上だ。」

そう言ってくれた。

はぁ、優しすぎるなぁ。と思いながら、今回の自分に反省する。




少し由実と話した後、とりあえず中に入ろうと思い、由実を離そうとした時、



……?



ふと後ろに誰か居ることに気付いた。