いや、杏里だって思うはず。

今にも途切れそうだった
糸のような細さの絆は

今ではもう、
針金をぐるぐる巻きにしたぐらいの
太さに、強さになったはず。



じゃあ明日家まで迎えにくるね、

と言って私は杏里の家をでた。

家を出るときにおばさんがくれた
おばさん手作りのシュークリームが
とてもおいしそうだ。


響にメールでもしながら
食べよう!



そう思ってワクワクしながら家に帰った。



「ただいまー」

すぐにおかえり、と
声がする。


なーんだ。
お母さんたちがいなかったら
このシュークリーム私が
全部食べようと思ってたのに。


ちょっと残念に思いながら
リビングへと向かった。