『しまった…最近、力に慣れたから無意識でもすぐに治るぞ…』

「いや…これは対した事ないから…」

「そんなわけないでしょ!止血しなきゃ…ハンカチを裂いて縛れば…」

橘はハンカチを取り出し、惣一郎のズボンの裾を捲くりあげた。

「スゴイ傷…せめて傷口洗えたらいいんだけど…」

橘はハンカチを引き裂き始めた。

「これで、縛れば…えっ…傷が…」

「……」

10センチはあったであろう傷は、1センチ程度まで塞がっていた。

「え…?…嘘…傷が…なんで…そんな…」

傷は完全に無くなった。

「橘…聞いてくれないか…」