何故夏は暑いのかと、考えながら、右手で団扇をパタパタと扇いで火照った身体を冷ますこの姿はハズレである。

この時右手にはシャーペンを持っているのが正解だ。
シャーペンと言っても落書きや買い物リストを書くわけではない。

今シャーペンで書くものは、学校で渡された、広辞苑とまでは言わないが、それに近い数学の宿題なのだ。
宿題を始めてニ十日にと、十二時間。終わったページは二ページと半分絶望的である。