「冷たいやつだな。」 「冷たくなんかないよ。応援してるんだよ。」 「は?」 「死ぬ覚悟を決めた人を応援してるだけ。」 なんだそれ。 「『死にたい』っていう欲望を叶えられるように応援してるの。欲望に逆らうとストレス溜まるし。」 「君なあ…」 「それでまた、『生きたい』って思えたら生まれてくればいい。」 そんなことできるわけないのに。 この女は今まで出会った人間の中で一番無責任だ。 だけど一番、心地よかった。