「山村…」

「あ?誰?」

「は?」

まさかこの俺を知らないとは。

「同じクラスだっけ?」

「ああ。」

「あー、いたかも。誰くん?」

「相良。」

「…あー、いたかも。よっこらせ。」

翡翠は地面を払って座ると、そのまま大の字に寝転んだ。

「お前…俺のこと知らねえの?」

「んー、相良君でしょ。」

「違う。中学時代の話。」

「何?有名人なの君。」

そう言われて顔が熱くなった。

そうか。俺、もしかして自惚れてた感じ?

みんなが俺を知ってるとかねえよな…。