健一は不良校で有名な男子中学出身だ。

しかもその中学で一番強かったという。

そんな面影はこれっぽっちもない。

だが入学当初、ほとんどの人間が健一の存在を知っていて恐れていた。


「さ、相良君、先生が呼んでたよ!」

「あ、うん。」

みんな用事がないときは健一に近寄らない。


気づけば一匹狼になっていた。


ある日、健一は授業をサボって屋上に向かった。

「あーあ。ほんとはこんな学校来る気なかったんだけどなあ…。」