「お父さん。」

「なんだ?」

「私がどこに行ってたか聞かないの?」

「聞いて欲しいのか?」

「いや…」

「全部小西さんから聞いたからわかってる。」

「そう。…びっくりした?」

「ああ。仕事から帰ってきたら置き手紙だけしかなくて心臓止まるかと思った。」

「そっちじゃなくて、お母さんのことを思い出したって方。」

「…びっくりしたな。でもいずれ話そうと思ってたことだ。話す手間が省けてお父さんは楽チンになった。」

「…そう。」