「唯ちゃん平気!?」

「あー。平気平気。ほれ。」

翡翠はいつの間にか唯のロープを解いていた。

「おま!?いつの間に!?」

「はあ、よかったあ。」

健一はにっこり笑った後、いつもからは考えられない鋭い目つきになった。

「…なあ。人質とか卑怯じゃね?」

「うるせえ相良!…まあ、お前をおびき出すためのオトリだったからもうその女は用無しだ。」

「…唯ちゃん使わなくても呼んでくれたら来たのによお。」

「でもお前、最近喧嘩してないみたいじゃねえか。人質はあくまでもお前が来なかったときの保険だ。」

「…ふーん。」