「…そう。」 「復讐なんてしてる暇ないのよ。私は…幸せにならなきゃ。」 翡翠は自分に言い聞かせるように呟くと屋上を出て行った。 樋口はため息をつく。 「幸せか…。」 自分が幸せになることが最大の復讐だとよく耳にする。 復讐することが最大の幸せだったらどうするんだ。 「結局…どうすることもできないのか。」 樋口は立ち上がり、屋上のドアに向かう。 どうやって復讐しようか考えながら、やり場のない怒りを抱えて。