そして、 この光景を高嶋が見てるだなんて考えもしなかった。 「疲れちゃった?…陽菜ちゃん」 「もぉー暁助ったら」 そう言いつつも、陽菜ちゃんは幸せそうに笑う。 だから俺も笑う。 なのに……なんでだろ? ――幸せを感じないのは。 学校を出て、陽菜ちゃんが 携帯をいじり出した時、 俺は後ろを振り返った。 あまりに 視線が痛かったから…… 案の定、俺を見ていたやつと 視線がぶつかった。