不器用な恋模様




“ずっと昔から”


栞は昔から俺をカッコイイって思ってたのか?



「栞……」


「な、なに?」


「君づけじゃなくていい。
フツーに氷屶って呼べよ」


話を逸らすために俺はさっきの話題を持ち出した。


「うん……いいの?」


「いいも何も、幼なじみだし当然だろ」



俺の発言に一瞬、栞が
悲しそうな顔をした。


でも再び笑顔になる。



「わかった、氷屶」


「うん、それでいい…」



そして、また
歩き出した――――。