それだけ言って
女から背を向けた。
「……栞ちゃんは良いのに?」
「……」
女のその声に背を向けたはずの体を振り向かせた。
てゆーか
何で栞が出てくんだよ。
「栞は幼なじみ。…知らなかった?」
「知ってる!でも幼なじみ以上にも見えるよ」
幼なじみ以上?
それって恋人とか?
「んな事、あり得ないから。」
「でも一緒に帰ったりしてるじゃん」
……そこは否定できない。
でも俺の意志じゃなくて
栞が勝手に待ってるし……。
「俺と栞は幼なじみだから。
それ以上でもそれ以下でもない……これ以上、
追求してきたらお前のこと
嫌いになるよ?」

