人通りの少ない場所へ来ると 女は急に立ち止まり、 俺を真っ直ぐ見つめた。 「東條君」 「ん?」 「私ね、ずっと前から東條君が好きなの。友達からでも良いから付き合って?」 涙目で俺に言う女。 きっと、この子は結構モテる子なんだろな。 断りづらい表情で、俺を見てくるから。 でも、俺は…… 「ごめん。 恋愛に興味ないんだ」 俺は友達からとか、 曖昧な関係なんて嫌だ。 ちゃんと 好きだと思える奴じゃないと 付き合いたくない。