「はぁ…」


翌日。
学校に来るなり、オレは溜め息をついた。

ヒカリのあの表情が気になって仕方ない。


最近いつも思う。


ヒカリはオレを見ているはずなのに、時々どこか違う所を見ている気がする。



……それが真実かは定かじゃないけどさ。



「……朝から溜め息?幸せ逃げちゃうよ」



「…………蛍(ケイ)」



オレの後ろには眠そうに目をこする男がいた。


そいつはクラスメートの
高原 蛍。

身長が高くて黒髪で
ほわんとしたオーラを持っている。