ダンッ 「え?」 壁にもたれかかっていた私の顔のすぐ横に、手が。 「えーと....どうしたんだ?」 「ねぇ、くるみ。 もうお芝居はいいからさ、覚えてんでしょ?僕のこと。 みんなが見てたからわざと覚えてないなんて嘘ついたんでしょ? ここなら誰もいないよ?」 「えっと?」 あれ、さっきまでこの子泣いてたんじゃなかったっけ? それにさっきよりも 声が低くなってないか?