キミイロ

「はいはいちょっとゴメンよー!!」

結姫のことだから人だかりに体当たりで飛び込んじゃうんじゃないかと思ったけど
(だっていつもいきなり飛び付いて来たりするから)

運動神経がいいってことは、動体視力もいいんだろう。

人だかりをスルスル隙間を見つけて入り込んで行ってしまう。

「ゆ、結姫、ちょっと待って…」

結姫を見失わないように必死に人をかき分けながら後をついていく私。

「陽早く!来て来て見て!!」

「だからちょっと待ってってば…!!も〜結姫どんどん進んじゃうんだから…」

「そんなことより見てってば!!ほら!!」

「痛い痛い顔引っ張んないで顔!!」

結姫が私の顔を引っ張りながら掲示板に近づける。

てゆーか近すぎる!!


「…2年5組…あっ愛華の名前がある!!」

「愛華だけじゃないって!!ほらっ」


結姫に促されるまま名前を見ていく。

…木村愛華、桑原泉…橘結姫……


「あ」


山田 陽(やまだはる)


「あった!!私の名前!!」

「でしょーっ!!4人一緒だよ!!」

「キャー!!やったぁ凄い凄い〜!!」