「うっっ」

震えが止まらない。

それに、怖くて怖くてたまらない。


「あ、見つけた」

すると、
急に

後ろから聞こえる
男の声。

「誰っ」

振り返ると、

「上手く逃げたみたいだね」
「アンタ・・・」

クソガキ

「あ、電話の相手ボコっといたから」
「え?」

「まぁ、深く内容は言わないけど」
「何で、」
「ん?」

「なんでここにいるの?」
「え?なんでって、おめェが悪いんだろ。
あんな奴と付き合うから」

「・・・」
「オレに感謝しろよ」
「なんでよ」

「オレが居なかったら
お前今頃・・・」

今頃、と言ったまま
話さなくなったガキ。

「ま、いいや。とにかく、
ほら、おいで?」

「は?」
ガキは両手を広げて
アタシのことを見ている。

「ほら、おいでっ。
怖かったろ?」

「何言ってんの、バカみたい。
アタシ帰る」

アタシは
何回コイツを無視しただろう。