「それで、どうするつもりなんだ?」

砂野が聞いてきたので、千広は顔をあげた。

(どうするつもりって…何を?)

その質問の意味がよくわからなかった。

千広の思いに答えるように、
「こいつと話をするか?」

そう言って砂野が渡したのは、小さな紙だった。

千広はそれを砂野の手から受け取った。

見てみると、携帯電話の番号が書かれていた。

周陽平の…だろうか?

じっと紙を見つめている千広に、
「周陽平行きつけのクラブのホステスが教えてくれた彼の携帯電話の番号だ」

砂野が答えた。

「…勝手にいいんですか?」

紙から顔をあげて恐る恐る聞いた千広に、
「何だ、ヤなのか?」

砂野が言った。

「とんでもないです!」

千広は首を横に振った。

むしろ、ありがたいと思っている。