嘘婚―ウソコン―

小田切が何かに気づいたと言うように、大きな目をさらに大きく見開いた。

「小堺さん、ちょっと」

小田切に手招きされた千広は彼女のデスクに歩み寄った。

「はい、何でしょうか?」

小田切はネイルされた指で千広のネックレスを指差した。

「それって、周くんの?」

「えっ?」

そう尋ねられ、千広は戸惑った。

陽平から何か聞いていたのだろうか?

「ええ、日曜日に周さんから荷物が届いて…」

そう説明した千広に、小田切はフフッと笑って、
「小堺さん思いなのね、周くんって」
と、言った。

「えっ?」

あたし思い?

そんなことを言われた千広は訳がわからない。

「日曜日に届いたって?」

小田切が確認するように聞いた。

「はい」

千広はうなずく。