嘘婚―ウソコン―

中から出てきたのは、白い小さな箱だった。

「何だろ?」

千広は箱に手をかけた。

(まさかビックリ箱じゃないよね?)

パカッと箱を開くと、
「――えっ…」

箱の中身に戸惑った。

シルバーのネックレスだった。

羽の形のチャームが、キラリと蛍光灯の光を受けて反射した。

「キレイ…」

千広は箱を近づけて、ネックレスを見つめた。

パリに売っていたのだろうか?

指先で、羽のチャームに触れた。

裏側がデコボコしていることに気づいた。

千広はチャームの裏側を覗き込んだ。

「えーっと…Chihiro.K?」

そこに書いてあった文字に、千広は首を傾げた。

確かに、自分の名前は“千広”だけど…。

もしかしたら、このネックレスはメッセージを入れられることができるのだろうか?