嘘婚―ウソコン―

「何か、用事があったから電話してきたんですよね?」

千広は聞いた。

「あー、まあな。

でも、そんな大したことじゃないんだ」

千広の問いに陽平は答えた。

続けて、
「俺の事務所の方に荷物を送ったんだ。

ちょっとしたみやげもの」
と、陽平が言った。

「おみやげですか?」

千広は聞き返した。

「ああ、おみやげ。

たぶん、明日か明後日辺りに届くと思うから」

「わかりました。

受け取っておきます」

「ああ、頼んだ」

陽平が返事して電話を切ろうとしているのがわかった。

「あの…」

千広は呼び止めた。