嘘婚―ウソコン―

友美はアイスコーヒをストローで1口すすった。

ストローから口を離すと、息を吐いた。

「真相を話すわ。

陽平が死ぬほど酔いつぶれて、私が介抱していたあの夜の真相を。

だけど、1つだけ私の言うことを聞いて」

友美はベビーピンクにネイルされたキレイな人差し指を出した。

「私が話した真相を、あなたから陽平に話すこと。

私が話しても、陽平はたぶん信じてくれないと思ったから。

まあ、昨日彼に押しつけようとした私も私だけどね」

友美は人差し指をしまった。

「――わかりました…」

千広が首を縦に振ってうなずいたことを確認すると、友美の唇が開いた。

「5年前の陽平は婚約者に逃げられて、それはもう大変だったわ。

弱いくせに毎晩お酒を飲むだけ飲んで、酔いつぶれて病院行き。

入退院の繰り返しで仕事にもロクに行けない。

私は彼女たちと一緒に廃人状態の陽平を支えてた。

そんな時だった」