「けど芸術、特に絵と工作に関しては得意分野でさ、将来はそれに関わる仕事がしたいと思ってた。

それでデザインの専門学校に入って、卒業してから小田切さんのところで働き始めた。

彼女にデザイナーとしての実力を認められて、彼女の勧めで今年事務所をオープンしたんだ。

すげーだろ?

あの世界的に有名なデザイナーの小田切紅花に認められたんだぜ?

やったぜ以外何の表現もできないよ」

そう話をしている陽平は、どこか楽しそうだ。

本当に、嬉しかったんだろうな。

世界的に有名なデザイナーに才能を認められて…んっ?

「1つ、聞いてもいいですか?」

千広は聞いた。