「久しぶり、ユメ。

元気だったか?」

顔見知りなのか、陽平が話しかけた。

昔流行ったアゲ嬢よろしくと言うくらいのハデな化粧と髪型は、信じられない。

化粧に至っては、肌荒れしないのが不思議なくらいだ。

髪もそんなにアレンジして大丈夫だろうか?

毛先――いや、髪全体が痛まないのだろうか?

見るのも思うのも疲れた。

正直、もうここから帰りたい。

千広がそう思った時、
「その方は?」

ユメに見つかってしまった。

しまった、帰るどころか逃げることもできない。

陽平は千広に視線を向けると、
「ああ、こいつは俺の右腕候補」
と、言った。