「い、1万…!?」

どんだけ高い時給を出すんだ…。

千広はポカーンと口を開けて、陽平にマヌケな顔をさらすことしかできない。

そんな顔をしている千広に、
「別に珍しくないだろ?」

陽平が呆れたように言った。

(いや、充分に珍しいですから)

千広は心の中でツッコミを入れた。

1日3時間働いたら、3万円である。

月だと一体どれくらいになるのやら…。

考えただけでもめまいがした。

実際にめまいを感じて、千広は手で額を押さえた。