──沖矢 総司side

あの子を見てから3週間。あれから一度も会ってない。
(ここら辺に住んでいると思ったんだけどなぁ…)
謎が多い子…。そう思った。
そんな子は面白い。分かったら謎が無くなるからだ。
そしてスッキリする。

授業の終わりを知らせるチャイムが鳴り、起立、礼、をしてからみんなは食堂へと向かう。
(あぁ、そうか。今から昼ごはんだ)
僕も購買へと行って何か買ってこようと思い、鞄から財布を出す。
「総司~」
いかにもダルそうな声で僕を呼ぶ声が聞こえた。
「何?朔斗」
村田 朔斗、僕のクラスメイト。
「食堂行こうぜ!腹減ったんだよ!」
僕と似た茶髪だけど、僕の方が若干明るく無邪気な子だ。
背も小さいし、童顔だからよく年下に間違えられやすい。
170cmの僕に対し、朔斗は多分163cmくらい。
「総司」
「あ、龍くん」
「古典のレポートがまだだぞ」
鈴木 龍、僕のクラスメイトでもあり委員長でもある。
藍色の髪をしていて、綺麗な顔立ちだけど朔斗同様背が小さい。
多分、165cmなんじゃないかな。
「あー、辻井先生の?あるよ」
僕は机からレポートを出し、龍くんへと渡す。
「確かに預かった」
それを持って辻井先生の元へと行き、レポートを渡す。
「総司!早く購買行こうぜ」
「そうだね」

それから朔斗と購買で昼ごはんを食べ、時間はゆっくりと進む。
そして放課後になる。
僕は部活があるけどサボる。あの子を見つけたい。
単なる好奇心なんだろう。
僕は鞄を持って門を潜った。