教室のドアを開ければ駆け寄ってくる美咲。

手を引かれるままに教壇に上がって、すでにそこにいた溝越くんに「どうしたの」と聞こうと口を開いた瞬間、




「「おめでとーー!!」」






クラス全員からの祝福の言葉。


パンと弾けるクラッカー。


驚愕やら嬉しさやらで目頭が熱くなって、


なんとか止めた涙と、感動で自然とこぼれ落ちた小さな「ありがとう」の呟き。



拾ってくれたのは紛れも無い、陽。



「見せ付けてくれるねー」


「妬いちゃうよー」



どっと沸く教室。


イジメられるかなとびくびく怯えてた昨日の私がひどく滑稽に見えた。