記憶を辿ってD組の教室に着いた。


「あ、なんかあの人覚えてる…名前は分かんないけど」



顔だけは覚えている人が結構いた。



「あ、あの子クラス委員の三島さんだ」


「あの子は確か生徒会長になる田所さんだ」




あたし案外覚えてるなあ



確かあたしはどんな委員になるんだっけ?


自分の事は忘れちゃった…



「ね、ねえ!さっきから何喋ってるの?」



いきなり後ろから声をかけられた。



おそるおそる後ろを振り返ってみた…



「あ、えっと…ごめんね?独り言だった…」



「あは、独り言なのにたくさん喋ってたね?」



あぁー、聞こえてたんだ


初っぱなから何やってんのよあたし…


「緊張しちゃって、無意識に独り言出ちゃったかな?」



「緊張してるんだ!あたしもだよ?あたしの名前は奥本美衣!よろしくね!」



「あ、あたしは沖田美月!よろしくね!」


「よろしく!美月って呼んでいい?」


「うん!呼んで呼んで!あたしも美衣って呼んでいい?」


「もちろん!良かった友達出来て!不安だったんだ〜」


「あたしもすっごい不安だった!話しかけてくれてありがとう!」


「いえいえ!あ、そろそろ入学式始まるから行こう?」



「うん!行こう!」



良かったー!友達出来て!


美衣はいい子そうだから安心だな。