あたしはどうして
玻瑠幸じゃなきゃ
だめなのかな。

こんなにもあたしを
好きでいてくれる人は
いるのに・・・。

どうしていつまでも
振り向いてくれない
玻瑠幸の方が
こんなに好きなんだろう。

「稔先輩、あたしを
好きになってくれて
ありがとうございました。」

あたしがそう言うと
先輩は泣き笑いのような
顔をして屋上から出て行った。

「どういたしまして。」

そう、ポツリと呟いて・・・。

より一層、秋が深まった。
・・・そんな気がした。