「でも、だからこそ、きっと――…
オレ、愛里に固執したんだと思う」


「悠…」


「ごめん…。
オレ…。
感情のコントロールができなくて」


「もう、いいよ…」


「愛里に、辛い思いをさせてごめん」


「…うん」


「でもあの時。
あの時…さ。
父親の『やめろ』って言葉を聞いた時、心の殻の壊れる音がした。
――心が。
オレの心が、心の底から…
満足したんだよ」


華やかに笑う天使の笑顔がそこにはあり、悠ははっきり口にした。