天使のキス。

それに、あたしが泣いてたら――…


きっと、健ちゃんの顔は曇ったまま。



だから…
だから…


どんなに辛くても。


あたしは、前に進まないといけない。


だからまず、健ちゃんのお母さんに会おう。


健ちゃんに頼まれた通帳と印鑑を持って、あたしは健ちゃんのお母さんを訪ねた。


健ちゃんのお母さんは、まだあの病院に入院していた。


そこであたしが聞いたのは――…


健ちゃんの復讐の話なんかじゃなかった。