天使のキス。

「健ちゃんっ…」


「あ、そうだ。
沙耶ちゃんにも、頑張れって伝えておいて…。
心の底では、俺、応援してたから」


その言葉を最後に、健ちゃんの姿はスーッと薄くなり、見えなくなった。



でも、もう、いい。


見えなくても…


誰の目にも映らなくても。


あたしの心には、確かに、健ちゃんがいる。


あたしが、健ちゃんのことを、忘れなければいい。