天使のキス。

タクも沙耶も、もちろん悠もそばにいてくれたけど。


毎日孤独で。


あたしは、前に進めなかった。




何度電話をかけても、健ちゃんが電話に出てくれることはなく――…


だからといって、健ちゃんがいない現実を受け止めることもできない。




あたしの心はどんどん疲弊し、無意識に自分自身を傷つけ、そして、ついには病院に運ばれた。




病院のベッドの上で目を覚ました時――…


あたしは、悠に思いっきり頬をぶたれた。


「愛里!
おまえいったい、何してんだよ!!!」


目に涙をためた悠が、何度も何度も、あたしをぶった。