天使のキス。

「ほら、やっぱり!
健ちゃん、いるじゃん!
今までどこに行ってたの!?」


そんなことを言えるような気がして。


あたしは、何度も何度も、健ちゃんの番号を押した。



――健ちゃん。


あたしが困ってたら、いつも助けてくれたよね?


悩んでたら、いつも解決してくれたよね?


あたし、今、困ってるよ?


健ちゃんがいなくて寂しくて。


あたし、今、泣いてるよ?


それなのに、どうして――…


電話に出てくれないの!?