「だーかーら――っ!
健ちゃん、ネーミングセンスなさすぎだってば!!」


いつものように笑って、ハッと気付く。


「ところで、健ちゃん…
怪我、もう治ったの!?」


あたしが見上げる健ちゃんには、ひとつの傷も見当たらなかった。


あんなに血まみれだったのに!?


それがあっさり治るなんて。


しかも、傷ひとつ、絆創膏ひとつ、見当たらないなんて。


そんなこと、あるわけない!


だったら、考えられることは、ただひとつ――…


「まさか、健ちゃん!
健ちゃんの怪我もドッキリなの!?
あれも、あたしを騙してたの!?」