天使のキス。

まさか…?


あたしが目を見開いた時、じいじが言った。


「皆様を、悪い冗談につき合わせて悪かったね?」


そして、軽くウインクする。


会場の人達は、幽霊でも見たかのような眼差しを画面に向けていた。


それを受けて、じいじは続ける。


「あぁ、そうか。
無理もない。
私は死んだはずの人間なのだからね。
だが、この通り、ぴんぴんしておる。
そして、私は本物の水嶋源太郎だ。
皆を…驚かせて悪かったね」


会場がざわめきだし、悠のパパが眉間にしわを寄せた。


「死んだふりをするなんて、どういうおつもりですか?
それに、この状況。
いったい何を考えて…」