天使のキス。

何よりも…
何よりも、悠を優先させて!!


あたしの願いは、ひとつだった。


あたしがヒキガネを引こうとしたのと、


悠のパパが「やめろ!!」怒鳴るのと、


あたしの後ろにいたマスクの男が、あたしの手を掴み、捻りあげるように天井に向けるのと、


「パーン!!」


乾いた音が聞こえるのが同時で。


――あたしは、マスクの男もろとも床に転がった。