天使のキス。

なぜ急に悠がそんな顔をするのかはわからないけど――…


「ん―…
なんか、別に。
つーか、4月って言っても…。
まだ冷えるな?」


悠はそんな、何かをごまかしたような言葉を口先に出し、あたしの横にぺたんと座った。


「な、に?」


微妙にのけぞるあたしを強引に抱き寄せ、


「おまえ、あったかい」


あたしの首元に顔をうずめ、耳元に息がかかるくらい近くで悠が言う。


「しばらく、このままでいてもいい?」