天使のキス。

「…り…」


小さく、本当に微かに聞こえる、あたしを呼ぶ健ちゃんの声。


その声に向かって、あたしはよろよろと歩きだした。


「…り。
今すぐ…
ウチに行って…
俺のパソコン…見ろ」


「…え?」


「場所は…
今日……教えた…よな」


「…えっ、健ちゃん。
教えたって――…!?」


「ついて、来た…だろ?
あそこ…」


健ちゃんは、苦しそうに顔を歪めながら話を続ける。


「愛、里…
大事な話…
なんだ…」