天使のキス。

あたしがそう思った瞬間、さっきの、健ちゃんの担架を押していた人が、曲がり角の向こう、あたしに手招きした。


「…え?」


首をかしげるあたしの前、その人は猛ダッシュで走ってきて、あたしの手首を掴むと、そのまま走り出した。


「な…
な…」


何!?


聞く暇もなく連れて行かれた先には――…


「…健ちゃん!?」


健ちゃんの乗った担架があった。


「これでいいですか?」


健ちゃんに確認をするユニフォームの人。