天使のキス。

「健ちゃんっ!」


叫んでも、もう、健ちゃんには聞こえないはず。


そう思っても、あたしは、健ちゃんの名前を呼ぶことを止められなかった。


あたしの存在を知って、手招きをした健ちゃん。


あたしに言いたいことがあったはず。


でも、もう、今は――…


健ちゃんの言葉を聞くことができない。


もう、病院の中に運び込まれていて。


もしかしたら、手術室に入ってるのかもしれない。


あんなにひどい怪我だもん。


もちろん、すぐに手当てをしてもらわなくちゃなんだけど――…


でも――…