天使のキス。

でも容赦なく、女の人は無理やり健ちゃんから引き剥がされ、どこかに連れて行かれた。


あたしももちろん、健ちゃんに話しかけられるような状況じゃなかったけど――…


担架からダラリと垂れた腕が、あたしを手招きしているように見えて、あたしは担架にしがみついて、健ちゃんの顔を見下ろした。


目を閉じたままの健ちゃん。


表情は苦痛に歪み、痛々しくて見てられない。


もちろん、あたしが健ちゃんから離れる前に、さっきの女の人同様、あたしも健ちゃんから引き剥がされた。


でも…


「…り…
あい…り…」


弱々しくあたしを呼ぶ健ちゃんの声に、あたしは白衣のおじさんを突き飛ばす勢いで、もう一度担架にしがみついた。