天使のキス。

「や…や…
やだなぁ、健ちゃん…」


健ちゃんの顔が、制服が、真っ赤に染まってるのも…


あたしをびっくりさせるための…


嘘、だよね?


そう、だよ。


嘘に決まってるよ。


健ちゃんが怪我なんて。


そんなこと――…


あるわけ、ないもん。


唇の端が、少しだけ持ち上がる。


あたしは、無意識に笑おうとしていたらしい。


目の前の事実を打ち消したくて。


冗談だと、嘘だと思いたかった。


でも――…