天使のキス。

人だかりに背を向けるため、くるりときびすを返す。


その横を、ガラガラと、音をたてて担架が通りすぎて行く。


倒れちゃったのかな。
入院患者さんなのかな。
大丈夫かな。


そう思って、担架に視線を流した時、ダラっと腕が垂れ下がった。


…ん?


…あれ?


…制服?


…ブレザー?


…あれって――!?


あたしは、自分の制服の袖を握り締めた。


だって。


まさか、じゃなくて。


あれは――…