天使のキス。

あたしが自分の思考に捕われて、一瞬目を離した隙に、健ちゃんの姿が視界から消えていた。


やば。
健ちゃん、どこに行ったんだろう。


まさか…


『俺が望んでいるのは、復讐だ』そういった時の健ちゃんの目の冷たさを思い出して、あたしは身震いした。


まさか…
まさか…


まさか、とは思うけど――…


急いで健ちゃんを見つけないと、大変なことが起こるかも。


冬なのに、あたしの制服の下、肌を冷たい汗が伝った。