天使のキス。

うっ…


木で擦れた腕が痛い、足が痛い。


そんな泣き言を言いながら、健ちゃんの後をひょひょこっと着いて行くと――…


健ちゃんは、もと来た道を戻り駅まで行き、また地下鉄に乗った。


健ちゃん、どこに行くんだろう。


健ちゃんの行き先を思い浮かべてみる。


…女の子の家とかだったら、嫌だなぁ。


…もしくは、塾とか!?


それも、なぁ。


あたし、報われない。


健ちゃんとは距離をとった地下鉄の中、ぐったりと肩を落とすと――…